【時短ハラスメント】ジタハラを未然に防ぐ!上司と部下の心がけ
【時短ハラスメント】ジタハラを未然に防ぐ!上司と部下の心がけ
そもそもハラスメントとは?
昨今“ハラスメント”という言葉をよく耳にします。ハラスメントとは、「相手を不快にさせる行動」を意味します。
代表的な例では、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントがあり、昨今、とりわけ職場内において非常に関心が高い話題となっていると思います。その他にもアルコールハラスメント(アルハラ)やスモークハラスメント(スモハラ)など「○○ハラ」と言われるハラスメントは40種類前後存在すると言われています。
”ジタハラ”とは?
そんな中、政府主導で推し進められている「働き方改革」の弊害?により、新たなハラスメントが誕生しています。
その名も時短ハラスメント、通称「ジタハラ」です。
ジタハラとは、働き方改革の主旨を取り間違え、「残業時間を短縮させること」が目的となってしまっている企業において発生します。本来働き方改革とは、多様な働き方を許容し、効率的に業務を進めることで生産性を向上させることが目的です。ここで「生産性」というキーワードがありますが、これがジタハラを生む元凶となっているのです。
特に大企業で多く見られます。
大企業はピラミッド型の組織構成になっていることが多く、「働き方改革を推進するぞ!」というトップのビジョンを受け、事務方が具体的な目標や手段を構築していくという流れが一般的だと思います。
そんな中、「生産性向上」というキーワードを、「1人あたり売上高」や、「残業時間あたり売上高」といったように単純解釈し、生産性向上のため、「残業時間○○時間削減!」「月間残業時間○○時間以下!」などといった誤った目標を立ててしまう例が往々にしてあります。
このように上層部が定めた「目標時間」を達成すべく、現場の管理者が部下をマネジメントする際、
「○○さん今月あと何時間残業する?」
「今月の残業時間多いから早く帰ってね」
「○○時間越えちゃう!早く帰って早く帰って!」
といったような流れになってしまうのが、ジタハラの実情です。
部下からすれば、
「仕事が終わっていないのでまだ帰れない」
「急ぎの案件があるのに進められない」
「もっと働いて様々なことにチャレンジしたいのに取り組めない」
などといったストレスに繋がり、結果として「ハラスメント」として不快な思いをすることになってしまいます。
定時で帰れと言われるので仕方なく帰ったが、仕事は終わっていないので常に仕事に追われている状態がストレスであったり、仕事が終わらないので「サービス残業が増えただけ」、「持ち帰り仕事が増えただけ」、「強制的に電気が消され暗闇の中で仕事をしている」などの悪い事例が多く目立っています。
ジタハラを未然に防ぐには?
このようになってしまっては本末転倒で、ワークライフバランスの実現や生産性向上による日本経済再生には程遠い道のりになってしまいます。ジタハラを未然に防ぐには、どのような心がけが必要なのでしょうか。上司と部下、双方の心がけという観点で考えていきたいと思います。
ジタハラを防ぐには、上司と部下の心がけ。互いにどう仕事と向き合うといいか。
この問題は、「時短ばかりを気にする上司が悪い」、「これだけ生産性向上と言っているのに、ダラダラと仕事をしている部下が悪い」などという上司対部下の対立と捉えられがちですが、大切なのは「相互理解」と「チームワーク」だと思います。上司/部下ともに、仕事とどう向き合うか、生産性を向上させるには何が必要かなどについて互いにコミュニケーションを図り相互理解を促進する。さらに、互いに補完し合うチームワークを育むことが重要となってきます。
How? ~目的を見失わないで~
上司にとっては「どうやって残業時間を減らすか」ということに目が行きがちですが、そもそも「時短」は生産性向上のための一手段にすぎません。
部下が「どういう働き方をしたいか」についてしっかりと耳を傾け、その実現には何が必要かを部下と一緒に考えていくようにしましょう。その際に忘れてはいけないのが、同時に「評価方法」についても、部下と合意形成を図ることです。
一方で部下の立場の人は、目の前にある短期的なタスクを素早くこなし、できることの範囲を広げていき、いかに自分を高めていくかを常に意識し、そのために必要な「自分の働き方」はなんだろうか?と、しっかりと腰を据えて実現に向けた手段を考え、上司や周りのメンバーとともに進めていきましょう。
働き方改革を成功させ、真に日本経済を向上させるために大切なのは、「相互理解」と「柔軟性」、「チームワーク」だと思います。これらをいかに「仕組み化」するかが、働き方改革を成功させるポイントになってきます。